シンリード@理系読書

理系大学院生による書評と読書感想文

【書評】言ってはいけない 残酷すぎる真実

言ってはいけない 残酷すぎる真実 橘玲 著

言ってはいけない 残酷すぎる真実 (新潮新書)

言ってはいけない 残酷すぎる真実 (新潮新書)

 

橘玲の本。人を釣るためにつけたようなタイトル。とても売れている本なので気になるところです。

 

【本書内容&感想】

  本書では、"遺伝や人間の本能的な部分が行動や社会を決定している部分がある"ということを言っている。知能の7~8割は遺伝で、身長の遺伝率は66%、体重は74%、うつ病は80%、サイコパスは81%等。他にも、経済格差、人種差別や女性差別、容姿と収入の関係も、人間の進化論的に仕方ないといった事が書かれていた。ここで、遺伝率とは例えば66%の確率で身長の高い人が生まれるという意味ではなく、66%は遺伝で34%は環境で説明できるという意味らしい。本書では、根拠としての実験や人間の発展の歴史などが書かれていた。こういった事実を考える上で重要なのは、相関関係があるから因果関係があるわけではないという認識は持っておきたい。

 また、"わたし"は遺伝と環境(共有環境、非共有環境)で決まるという。共有環境は、家族内など互いを近づける環境で、非共有環境は家族以外の友達や学校など互いを遠ざけるような環境。共有環境よりも非共有環境の影響の方が大きいことは多い。この理由としての集団社会化論には納得できる部分がある。子供は親よりも友達の世界のルールを優先するため子供は親の言うことを聞かない。そして、無意識のうちに集団の中で自分の持つ遺伝特性を最大に活かそうとすることで、集団の違いによって自分が変わってくる。共有環境が強く影響を及ぼすのは宗教や言語など。そんな中、親のできることは子供の才能の芽を摘まないような環境を与えること。

 基本的に言い回しが長い分、何を言いたいのかが汲み取りづらかった。残酷な事実を突きつけた上で、"じゃあどうすべきなのか"という部分にはあまり触れらていないが、それは自分で見出すしかないのかもしれない。

 

満足度 ★★☆☆☆