シンリード@理系読書

理系大学院生による書評と読書感想文

【書評】amazon この一社さえ知ればいい

amazon 世界最先端の戦略がわかる

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テクノロジーの4強GAFAのうちの1つAmazon。アマゾンを見ればこの先の世界が分かるという。著者は成毛誠さんという元マイクロソフト社長。成毛さんはHONZという書評サイトを運営していることでも有名なほどの読書家。

 

【本書内容&感想】

 深掘りするとamazonの普段知らない凄さがたくさんある事が分かってくる。アマゾンの株価は、1997年に上場した時に比べ本書発行時までには1252倍になっている。そして、2015年からの3年間での伸びに関しては他のGAFAに比べ2倍の伸び率であり、雇用者数もアマゾンだけ増加している。売上も日本の上位5社分を足しても追いつかない。なぜアマゾンがここまで急成長できるのか。

 アマゾンといえばネット販売などの小売業のイメージがあるが、最も利益を生み出しているのはAWS(アマゾンウェブサービス)というクラウドを他社に提供するサービス。元々は自社用にクラウドを開発していたらしいが、これを丸ごとサービスとしてビジネスにしてしまっている。小売では、マーケットプレイスという第三者の出品が半分を超え、その中にはFBA(フィルメントバイアマゾン)という出荷や倉庫を代行するという中小企業のインフラを提供するなサービスもある。楽天市場などと違い、購買情報が全部アマゾンに入ってくるという利点がある。他にも、アマゾンプライムや実店舗の本屋、ファッション・金融業界にまで展開している。

 そしてアマゾンを最も特徴づけるビジネススタイルはとにかく開発に投資しまくること。株主に配当金を支払った事もない。そして赤字でも株価が下がらないのだ。これを可能にするのがキャッシュフロー経営。CCC(お金を顧客から回収するまでの時間)が-28.5日と驚異的な数値であり、これによって投資しまくれるという。ナイキやオンデーズの本を読んでいて思ったのは、売上はあるのに手元に現金が無いことに最も苦しめられているということ。それに比べアマゾンは手元にはめちゃくちゃお金があるのだ。

 今や、アマゾンエコーやアマゾン・ゴーなどのAI技術も発展してきている。アマゾン・ゴーに関しては、コンビニ以外にスーパーや本屋でも適用しうる可能性を秘めており、AWSのようにいずれ"仕組み自体を売る"という驚異的な未来が見えてくる。そして物流も着々と拠点が増えていきラストワンマイルに物凄く強い。そして大胆なM&Aや投資を行いながら、見切りも速く展開していく。規模のメリットが強大すぎて、どの企業も追いつけないレベル。地方分権的でローマ帝国や江戸幕府のようだという。今後のアマゾンの投資先に注目です。

 

満足度 ★★★★☆